アメリカにどう向き合うのか
日本はどうする!?
清水 『アメリカに対してモノが言えないなら、右翼を名乗るなと言いたい。嫌韓だろうが嫌中だろうがかまわないけど、日本を守るとかお題目を唱えるだけで、対米従属の続いている日本の現状を放置しているなら、黙っていろと言いたいですね。基地の問題も戦争に負けたからしゃあないという人がいますが、イタリアもドイツも敗戦国ですよ。イタリアにもドイツにも米軍基地はありますが、全部、国の指揮下に入ってます。だから、日本のように、国内法が適用されないとか、早朝・夜間の訓練をやるとか、学校すれすれに通って窓枠を落とすとかありえない。京都府の京丹後市にXバンドレーダーを設置して、一〇〇〇キロメートル先の野球ボールを確認するくらいのすごい電磁波を当てているわけです。これは、北朝鮮からハワイやグアムに飛んでいくミサイルを捉えるためのレーダーですが、経ヶ岬で交通事故があって、ドクターヘリが飛んだんですよ。そのときに、ヘリの計器が強い電磁波を当てられると狂うかもしれないと基地に停波要請をしたのですが、米軍は止めなかった。だからヘリはやむなく遠回りをするしかなかった。同じ敗戦国であっても扱いが違うんです。』
適菜 『そもそも、飛行機のルートも、アメリカが決めているわけですよね。』
清水 『そうです。航空法が適用されない。一番高い建物から一五〇メートル以上離れなければならないという航空法を無視している。米軍は基地に逃げ込めば現行犯逮捕されません。飲酒運転でひき逃げしても、公務だと言えば、許される。戦後、米軍が全国で起こした犯罪は一〇万件を超えています。それにより死んだ日本人は一〇〇〇人を超える。だから、日本を守るのではなく、日本人の生命と安全を脅かしてるのが米軍ちゃうんかと。じゃあ、自分は愛国者だとか、反日は嫌いだとか、日本が好きだと言っている連中が、なにかきちんとモノを言ったのかと。』
適菜 『自称愛国者が、沖縄を蔑視し、自分たちの住んでいる地域を守ろうとしている人たちを反日呼ばわりする。気がふれているとしか思えません。日本共産党の綱領にはこうあります。「わが国は、高度に発達した資本主義国でありながら、国土や軍事などの重要な部分をアメリカに握られた事実上の従属国となっている」「日本とアメリカとの関係は、対等・平等の同盟関係では決してない。日本の現状は、発達した資本主義諸国のあいだではもちろん、植民地支配が過去のものとなった今日の世界の国際関係の中で、きわめて異常な国家的な対米従属の状態にある。アメリカの対日支配は、明らかに、アメリカの世界戦略とアメリカ独占資本主義の利益のために、日本の主権と独立を踏みにじる帝国主義的な性格のものである」「国内的には、大企業・財界が、アメリカの対日支配と結びついて、日本と国民を支配する中心勢力の地位を占めている」。これは正しいですよ。』
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『日本共産党 政権奪取の条件』
著者:適菜 収、清水 忠史
日本共産党とは相いれない部分も多い。私は、共産主義も新自由主義と同様、近代が生み出した病の一環であると考えているからだ。日本共産党が政権を取る日は来るのか?本書で述べるようにいくつかの条件をクリアしない限り、国民の信頼を集めるのは難しいと思う。そこで、私の失礼な質問にも、やさしく、面白く、かつ的確に応えてくれる衆議院議員で日本共産党大阪府委員会副委員長の清水忠史さんとわが国の現状とその打開策について語った。
――――保守主義者・作家 適菜 収
作家・適菜収氏との対談は刺激的であった。保守的な論壇人としてのイメージが強く、共産主義に対して辛辣な意見を包み隠さず発信してきた方だけに、本当に対談が成り立つのだろうか、ともすればお互いの主張のみをぶつけ合うだけのすれ違いの議論に終始してしまうのではないかと身構えたのだが、それは杞憂に終わった。
――――共産主義者・衆議院議員 清水忠史